コロナウイルスの流行によって、デパートの経営が危ぶまれています。
ニーマンマーカスは経営破綻し、メイシーズも規模の縮小を加速する可能性があるとCEOが語っていました。
そんな中、ノードストロームは「頑丈だ」とか、「健康体質だ」とかいう評価を得ていることが多いのはなぜ・・・?
ノードストロームって、そんなにいいデパートなの?
他と一体何が違うの?
5/16から再開する予定のノードストロームハワイに実際に行ってみた時の感想や、調べてみたことを基にまとめていきます。
ノードストロームとは?どこにあるの?
ノードストロームとは、1901年にシアトルの靴屋からスタートし、今やアメリカを代表する大手百貨店となった高級デパートです。
ハワイでノードストロームと言えば、「ノードストロームラック」を思い浮かべる人が多いかもしれません。
ノードストロームラックは、ノードストロームのアウトレットで、かなりエキサイティングな価格で販売していることで有名です。
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ブランド物を扱う高級デパートでありながら、その在庫をT.J.maxxのような小売店に流すのではなく、自社でアウトレット販売を始めちゃったのです。
ハワイにノードストロームはただ1カ所のみ。
アラモアナショッピングセンター内にあります。
ノードストローム アラモアナ
住所:1450 Ala Moana Blvd, Ste 2950
ノードストロームラックは、ハワイに2カ所。
ワイキキと、ワードにあります。
ノードストロームラック ワードビレッジ
住所:1170 Auahi Street
ノードストロームラック ハイアット・セントリック・ワイキキビーチ
住所:2255 Kuhio Avenue, Suite 200
ノードストロームは現在、オンラインストアで購入した物の受け取りのみ実施中。(5/16より営業再開)
ノードストロームラックはクローズ中です。
ノードストロームハワイのベビー・キッズフロアがおすすめな理由
高級デパートって、身の丈に合ってないようでどうも足が向かず、
専らノードストロームラックに通っていた私。
子どもが生まれてから、ほしい商品をネットで検索していたら、
たまたまノードストロームに置いてあることが判明したので、初めて足を踏み入れました。
ベビー・キッズフロアは最上階。
エレベーターはベビーカーと、同伴の親を入れても4台は入る広々設計でまず好感度が上がります。
扱っているのは高級品ではなく、人気商品!
ベビー・キッズフロアにつくと、「ほしい!」と思っていた物が、目の前に沢山広がっているのに驚き!
私が流行に敏感だというわけでは決してないのですが、
買おうか迷うものは、いろいろ調べたり、口コミを見るのが癖になっています。
逆に言えば、口コミがいい物や、使い勝手が良さそうなもの以外は買いたくない。
そして、検索にヒットするものと言えば、みんなによく検索されている人気のものが上位にくるから目につきやすい。
つまり、私が「ほしい!」と思った物が目の前に広がっている!ということは、
口コミが高評価だったり、人気の商品が沢山集まっている!ということになります。
・・・自分が凄いわけじゃなくてね、検索機能が凄いんですよね(笑)
欲しかったものは、決して高いものではないので、高級デパートにそれらがあることにも驚きました。
その時、離乳食期の娘にお皿で遊ばれるのが面倒だと思った私がほしかった
ez-pzのハッピーマット。
定価での販売なのですが、日本よりうんと安い。
日本で3300円のミニマットが$20弱!
日本ではあまりお目にかからない、ケアベアのデザインもー!
かわいいなぁーと思っていたスキップホップのZOOシリーズも置いてあります。
日本ではなかなかお目にかからないブースターシートも!
ハワイ限定の、ココムーンだって種類豊富にお出迎え。
ココムーンのおくるみは、ポップな色合いでヤシの木や花がデザインされていて、日本でも人気になっていました。
ここにはおくるみだけじゃなくて、スタイやブランケットもあります。
しかもおくるみ、日本だと3990円で売っていたりするのに、ここでは$24なのね・・・。
ヘアバンドも、クレアーズだとすごいポップになっちゃうけれど、
こちらは品良くエレガントなデザインで、つける場所を選ばなさそうです。
他にも、触り心地がとってもいいブランケットや
赤ちゃんに優しい成分でできているボディウォッシュやシャンプー、
ギフトセット、衣類、おもちゃなども置いてありました。
レジ横にはマークダウン商品の棚もあります。
店員さんが優しい
英語が下手な私でも、果敢にプライスアジャストメントにチャレンジしにいったら、ちゃんと最後まで話を聞いてくれた上に優しい英語で話してくれ、しっかり対応してくれました。
※プライスアジャストメントとは、自分が買った商品が、後日もっと安くなっていた場合に差額を返してくれるサービスのこと。
実はメイシーズでは、日本人観光客の話がわからないと、しかめっ面で、「はい、お手上げです-!」という店員さんも少なくないのです。
(買い物に必要な用語さえ押さえておけば、円滑にコミュニケーションはとれます!)
そんな対応をレジでされている日本人観光客を見たので、
ノードストロームのプライスアジャストメントにもドキドキしながら向かったのでした。
メイシーズは、40~50代の店員さんが多いので、
良くも悪くも「近所のおじちゃん、おばちゃん」みたいな対応をされることもあります。
気さくな人が多いので、これがアメリカンウェイ!なのかもしれませんが。
そう考えると、ノードストロームは比較的、日本流に近いのかもしれません。
余談ですが、ノードストロームのベビーフロアで会った店員さんは20代~30代が多かったです。
・・・なんでだろ?
子連れに優しい設備がある
これはベビー・キッズフロアに限ったわけではないのですが、動線が広いのでベビーカーでも楽々移動できます。
そしてトイレがとてもキレイ!
しっかり清掃が行き届いています。
おむつ交換台もあります。
おむつも売ってる-!
ノードストロームが他のデパートとは違う理由
ここからは、ちょっとマニアックな話になっていきますが、
ノードストロームの強みはこんなところのようです。
- 顧客第一主義のカスタマーサービス
- 複数店舗、幅広い商品
- 長年の経験
- イノベーション
- CSR
この中で、・複数店舗、幅広い商品と、・長年の経験は他のデパートにもあるところ。
でも、ノードストロームは店舗販売で苦境に立たされている他のデパートとは違い、財務状態が好調なことから「健全なデパート」と評されています。
2019年の年間売上高は159億ドルと好調で、ノードストロームラック、Eコマース、記念日の売上、ポップアップストア、プロモーションの有効性が要因と見られています。
実は、・顧客第一主義と・イノベーションが他社との違いに大きく関わっています。
顧客第一主義
①最強のリターンポリシー!
ノードストロームの顧客第一主義がよく伝わってくるのは、「返品は理由を問わず、レシートが無くても構わない!」というリターンポリシー。
その昔、ノードストロームが靴と衣類しか販売していなかった時に、タイヤの返品を受け付けたという伝説が残っているくらいです。
ノードストロームが建つ前、そこにあったタイヤショップで買ったものだった模様・・・。
レシートがあるものは現金で返金、レシートのないものは同額のギフトカードで返してくれると、リターンポリシーに書いてありました。
②オンラインショップは送料無料!返品も送料無料!
アメリカの50州が対象にはなりますが、送料だけじゃなく、返品の送料も無料です。
③顧客の好みを徹底的に分析して、データ化する。
オンラインで購入した場合、色の好みまで徹底的に分析し、その色に合わせやすい色をおすすめしているよう。
「ノードストロームは私のことをわかってくれている!」と思われる提案をできるようにしているとのこと。
④顧客第一主義であるために、現場を大事にする。
現場のスタッフに、ある程度の自由裁量が与えられていて、顧客満足のためならば、どんどん提案できる環境になっているそう。
そんな環境のためか、フォーチューン誌の「最も働きがいのある会社ベスト100」において何度もランクインし、殿堂入りしています。
イノベーション
①デジタルネイティブに!
ノードストロームは、チャレンジ精神が旺盛であるとも評価されています。
アメリカで初めてデジタル技術を採用したデパートであり、現在もEコマース(ネットショップでの販売)に注力しています。
2019年の総売上高の159億ドルの内、30%である47億ドルはデジタルの販売からです。
実店舗頼みでない販売の仕方を、コロナウイルス流行前から行っており、Eコマースに慣れている、とも言われています。
今や「デパートが提案するスタイルの中から消費者が選ぶ」時代ではなく、「消費者がほしいと思っていたものをいかに早く見つけて提供するか」が大事な時代になっているので、この戦略が功を奏しているようです。
②強いパートナーシップで競合と差別化
Topshop(衣類)、Allbirds(サスティナブルスニーカー)、Greats(スニーカー)、Reformation(サスティナブルな衣類)、Stella and Dot(ジュエリー)などと最近ではパートナーシップを結び、ポップアップショップを取り仕切ったりしています。
ここに出てきたブランドの共通点は、ノードストローム以外の小売業者を通じて販売することはほとんどないということ。
ノードストロームは、パートナーに創造的な柔軟性を与え、データを共有することにより、パートナーシップを強化しているようです。
③ノードストロームラック
これは上でも出てきましたが、在庫を他の小売店に流すのでは無く、自社で売り場を買えて売り切る!ということも、他のデパートではなかなかやっていないことです。
強みをまとめる際に、参考にしたサイトはこちら。
ノードストロームの顧客第一主義や、Eコマース、新しい店舗のチャレンジなどに興味のある方は、面白く読めると思います。
・WWD
「日本の百貨店もリセールをする時代がくる? EC化率30%のノードストロームに見る“百貨店の未来”」
・UNITE
「顧客第一主義の老舗百貨店ノードストロームが明かす、デジタルでも成功を収める理由」
・Business Strategy Hub
Nordstrom SWOT Analysis (2020)
まとめ
- ノードストロームは、老舗デパートでありながらも、チャレンジングでどこまでも顧客満足を追い求める姿勢によって、他のデパートとは違う体制を築いています。
- 顧客第一主義は、店舗の接客で感じることができ、それは旅行者に対しても同じなので、気持ちの良いサービスが受けられます。
- 高級デパートとは言いつつも、顧客が満足する商品を集めているので、手に取りやすい価格のものも結構あります。
前に行った時は、こんなこと知らなかったので、知った今行ったら、もっと楽しめそうだな、と思っちゃいました。
早くお店でノードストロームをまた体感したいー!
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